聖者の午後
監督:フランシスコ・ガルシア
サンセバスティアン国際映画祭 コンペティション新人監督部門
カルタヘナ国際映画祭コンペティション、ロンドン・イーストエンド映画祭、
ブラジル国際映画祭 最優秀作品賞、撮影監督賞、助演男優賞ほか
ー欲しいのは未来の色ー
舞台は南米最大の都市サンパウロ(聖市)。再開発盛んな街の周縁で生きる80年代生まれの男女3人。年金暮らしの祖母と同居するルカ(31歳)、あと2週間で解雇されるルイス(29歳)、熱帯魚店で働くルイスの恋人ルアラ(30歳)。それぞれが、生活の崩壊を目前にして、抜けださねば、と思っているのだが、中々、1歩が踏み出せない。怖くて独りではいられない。でも3人で分かち合えるのは、過ぎ行く時間を見つめることだけ。不安と焦りと諦めが交差するなか、ルカが見つけた亡き祖父の銃で、ルイスは、ある行動に出る決心をするのだが…。監督とプロデューサーは全員30代。繁栄に押しつぶされそうな同世代の日常を描き、皮肉を込めて「Cores」(色)というタイトルをつけた。モノクロな生活の中で垣間見えるユーモアとルカの祖母の存在が、絶望さえできない3人を優しく包み、ラストシーンから再び始まる物語をも想像させる挑戦的な作品。
2014年3月、渋谷ユーロスペースで公開
2012/HDCAM/モノクロ/96分/ブラジル
公式サイト
予告編