グッドハーブ

INTRODUCTION・イントロダクション

メキシコと言えば、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥの「アモーレス・ペロス」を初めとして、不法移民や麻薬戦争、貧困や犯罪などといった衝撃的なテーマでアクション満載な映画が多いが、その中で、唯一、女性を主人公に映画を撮り続けているのが、本作の監督、マリア・ノバロ。

 これまでの作品が、ベルリン国際映画祭やサンダンス映画祭で受賞したにもかかわらず、日本公開は、本作が初めて。自らの経験をもとに書いた脚本には、 メキシコのハーブが数々出て来る。母のララはメキシコ国立自治大学(UNAM)の民族植物学者という設定で、UNAMの植物園でもロケが行われた。

 地下鉄、コミュニティラジオ局、そしてアパートの洗濯場。喧噪のメキシコシティの中で、独自のゆるやかなリズムで生きる女性たちと、先住民の英知であるハーブが醸し出す物語は、メキシコの知られざる一面を世界に発信した。