12:00 「朝食、昼食、そして夕食」
14:30「スリーピング・ボイス~沈黙の叫び~」
16:45「グッド・ハーブ」
今日の1本目は、スペイン映画「朝食、昼食、そして夕食」
舞台はガリシアのサンティアゴ・デ・コンポステラ。
そう、あの有名な巡礼の終点地です。
巡礼の映画は「サンジャックへの道」とか
「星の旅人たち」などありますが、
サンティアゴ・デ・コンポステラで
生活する人々の映画は、これが初かも。
旅行者ではなく生活者の視点から、コンポステラを
堪能いただけます。
朝まで飲んでいる2人の酔っぱらいから、
来ない恋人のために、料理を作り続ける俳優、
(この人の料理が一番、おいしそう)
兄を食事に招くために、料理を作るゲイの弟と
その恋人やしがない中年のストリート・ミュージシャンと
元彼女など、食事そのものよりも、食卓を
囲むことによって、それぞれの人生の断片が
見えて来る映画です。
切なくて愛おしい人間ドラマです。
ガリシアはスペインの北西部で、ケルト文化が
入っているので、大団円のパーティシーンでは、
ガイタ、と呼ばれるバグパイプも出て来ます。
「独房211」で主演したスペインの名優、
ルイス・トサル(ガリシア出身)がプロデューサーと
なり、ガリシア出身のホルヘ・コイラ監督と
タッグを組んで、作り上げたガリシアの映画。
K’s cinemaは音響がとても良いので、
大きなスクリーンと共に、映画の中で奏でられる
音楽や登場人物のため息まで聞こえて来ます。
DVDで観られた方も、ぜひ、スクリーンで!
きっと違いが分かるはず。
そしてこの2人のシーンには、
「苺とチョコレート」を観た方なら、
あっと分かるシーンが出て来ます↓
2本目は「スリーピング・ボイス~沈黙の叫び~」
観た方々からじわじわと口コミが広がっております。
時々、絵画のような構図と陰影にドキリとする
作品で(気づいて下さった方も多々あり)
内戦後の厳しい生活の中でも、人を愛することを
忘れないスペインならではの物語。
ロバート・キャパの内戦の写真をテーマにした
ドキュメンタリー「メキシカン・スーツケース」の
最初のシーンで共同墓地を掘る若者たちの姿は、この
映画の最後からつながっ
ているのです。
そして、今日3本目はメキシコ映画「グッド・ハーブ」
メキシコは麻薬戦争だけではありませぬ、と思って
配給した作品です。メキシコでは「ナルコ・シネ」
(麻薬戦争をテーマにした映画)というジャンルが
すでにできておりますが、どんなに過酷な状況でも
そこに子供たちがいて、育てる母たちがいることを
教えてくれたのはメキシコです。
この映画は麻薬ではなく、メキシコ先住民の知恵が
つまったハーブが主役。その研究家である母と、
言葉を集めるシングルマザーの娘の物語。
母と娘のちょっと距離感がある関係が、とてもリアルで
バックに流れる音楽が、すばらしい作品です。
サウンドトラックは、なんと!本国の公式サイトからmp3で
無料ダウンロードできます。