そうだった、1968年、10月2日が何の日だったか、
メキシコにいるミポリンのブログで思い出した。
詳しくはミポリンのブログを読んでいただくとして、
この年、1968年、メキシコオリンピック開催に反対して
トラテロルコの三文化広場に集まった学生や労働者たちに
軍が発砲、300人以上が殺害され、6,000人余りが逮捕された
「トラテロルコの大虐殺」の日。
メキシコにいた時に、色々な人々から話を聞いたのだが、
一番、恐ろしかったのは、大規模な流血の惨事だったにも
かかわらず、翌朝には、何事もなかったかのように、
道路はきれいに掃除され、血は洗い流されていた、と
言われた時。
そして、それを許すまじとエレナ・ポニアトウスカは、
「La noche de Tlatelolco」を書いた。1971年発売。
日本語にも訳されているが、私が持っているのは
1990年に発売された(もっと昔だと思ってた)47刷目の1冊。
中はもうセピア色だけど、この日までにどのような
動きがあったか、様々な人々にインタビューしている。
メキシコ国立自治大学の学生を初めとして、
ブルジョアなイベロアメリカ大学の学生たちや
労組も逮捕された執行部の釈放を求めるなど、
当時のグスタボ・ディアス・オルダス大統領を糾弾するデモには
60万人もが参加した。
そうだった、この「トラテロルコの夜」は邦訳が出ていたのであった。
トラテロルコの夜―メキシコの1968年/エレナ・ポニアトウスカ
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いつかこの虐殺をテーマにした「ROJO AMANECER」(赤い夜明け)という映画をやりたい、と
ずっと思っているけど、いつ実現することやら。
89年に制作された作品でマンションの1室の密室劇で、俳優たちの
緊張感と音だけで、大殺戮と衝撃的な最後を描いている。
若松監督の「あさま山荘」を観た時に、この映画を思い出した。
「集会は終わった。皆、すみやかに帰ろう」という声が聞こえたあと、
銃撃が始まるところ。
監督:ホルヘ・フォンス
俳優の中では、ソダーバーグの「チェ」2部作で
カストロ役をやったダミアン・ビチルとブルーノ・ビチルと
若き日のビチル兄弟が出ている。