昨夜、遅くブエノスアイレスに到着。
今、こちらは27日、午前7時16分。
12時間の時差があるのですねえ。
今朝は航空会社クルーのストで
空港は、大変そう。
よかった、昨夜、着いておいて。
今朝のブエノスアイレスは雨。
う~ん、残念。写真がとれない。
ということで、書き忘れていた映画のことを。
ディズニー・ピクサーアニメ「カールじいさんの空飛ぶ家」
Original HD 予告編(英語)でも、美しい。
これって、もう、予告編だけでほろっと来てしまいそうなのですが、
そこをぐっとこらえて、「泣かされないぞ!」と思いつつ、試写会場へ。
それが、なんと、普通ならば、ここでじっくり泣かせるのか、という場面が
えらく、さらりと流れることで油断していると、掴まれました。
幸せって淡々とした日常にあるのね。
予告編では、なんかいろいろあって家を飛ばすのか、と思いますが、
家が飛ぶのは序曲にすぎず、その後の冒険談が濃く、深いのです。
幼なじみのエリーとの思い出がつまった家。
エリー亡き後、カールじいさんは、2人で夢見た場所、伝説の
“パラダイス・フォール”という滝へ向けて、家と一緒に飛ぶ決心をします。
そこは、なんと、南米ベネズエラ!!
この瞬間、私、小さく「おお~っ」という声が出てしまいました。
ベネズエラには、世界最後の秘境と言われるギアナ高地があり、
そこに、エンジェル・フォールという世界一の落差を誇る滝があるのです。
あとで解説を読むと、やはりその滝がモデルになったそうで、
そこで、どんな冒険談が待っているのかは、観てのお楽しみ。
アニメだからこそ、できる物語ですが、ピクサーのすごいところは、
ストーリーもすべて自分たちで作り上げることです。
このストーリーも監督の空想から生まれたとか。
大変な1日を過ごした夜には、“わずらわしさから逃れて無人島に漂着したい”、と
いう監督の“現実からの逃避”願望がきっかけだったそうです。
う~ん、それにしても、ベネズエラまで家ごと飛んで行けるなんて!
私も出たい、そんな旅。
カールじいさんは、この歳(確か78歳の設定だったかと)になっても、
旅をしながら学び、それを実行するのです。
「家は家でしかない」と言い切った時のじいさんに泣きました。
ピクサー・アニメは、私の泣きのツボをとらえます。
アニメは、ほとんど観ないけれど、ピクサーだけは別。
「WALL・E/ウォーリー」も、しかり。
放射能で汚染されて人が住めなくなった29世紀の地球に、
たった一台残っている、ゴミ処理ロボット、ウォーリー。
来る日も来る日も、スクラップを
集めては、圧縮しているのですが、昔のミュージカル映画の
テープをかけて、テレビまで観る人間的なロボットなのです。
そこへ、イヴという真っ白なロボットがやって来て・・・。
なんと2人(?)は宇宙にまで行くのです。
宇宙ステーションの中で、すべてロボット任せ、という
快適な(?)生活を送っている人間たち。
歩くことさえしないので、みな、ブクブクに太っています。
スクリーンがついた車に乗って、朝食、昼食、夕食を与えられ、
これが流行だと言えば、ボタンひとつで、ユニフォームの色が
変わる、という、恐るべき、全体主義の社会。
人を馴らすのに飴(あめ)と鞭(むち)があるとすれば、
まさに飴版の「1984」(ジョージ・オウエルが描いた社会)ですが、
現代社会にも通じる皮肉もあいまって、この作品をつくった人たちの
気持ちに泣けてきます。
まさに大人のアニメ。
ということで、12月5日公開の「カールじいさんの空飛ぶ家」は、
おすすめです。