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「スリーピング・ボイス〜沈黙の叫び〜」本日(4月25日)新宿K's cinemaで公開

本日より公開のスペイン映画「スリーピング・ボイス~沈黙の叫び~」。気づけば、今年は、フランコ死去から40年。内戦終了2年目のマドリードの女性刑務所を舞台に、共和国派(反フランコ)の収監された姉と、姉を助けようとする敬虔なクリスチャンの妹を中心に当時の社会を描く物語。特集上映が終わってもモーニングショウで3週間続くので、この機会に、ぜひ!!

公式サイト

予告編

原作は、故ドゥルセ・チャコンの同名小説(邦訳未刊)。6年かけて、当時、刑務所にいた女性たちにインタビューして、登場人物たちをつくりあげた。ちょうど、一緒に脚本を書こうとしていたところで、亡くなってしまったが、彼女との約束を守るために、サンブラノ監督が、またそこから6年かけて映画化。内戦やフランコ時代を描いた作品は多々あるけれど、女性を描いた作品はとても少ない。それも闘士でなく、市井の女性。

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この映画に出て来る妹は、敬虔なクリスチャンで、内戦が終われば、互いに許して、次に向かうべきだと思っていた。きっと、多くの人はそうだったことが分かるのは、ここに出て来る女性刑務官やシスターたちのジレンマに現れている。フランコ側にも肉親を共和派に殺害された人もいるし、自分の意に反して強制徴兵された人々もいる。勧善懲悪では割り切れないのが内戦なのだ。

先日、慶應大学文学部でのリレー講義「地中海の誘惑」で、「映画からみるスペイン地中海の魅力」というタイトルで話したのだが、そこで紹介した、本作のベニト・サンブラノ監督は、アンダルシア出身で、この映画の中の中心人物は、コルドバ出身という設定で、ロケもウエルバの刑務所で行われた。

妹役のマリア・レオンは、「地中海式 人生のレシピ」のトニ役、パコ・レオンの妹。
この作品で、ゴヤ賞受賞!!

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サンブラノ監督の第一作目は、日本でも公開された「ローサのぬくもり」
予告編

2作目はキューバで撮った「ハバナ・ブルース」

監督はハバナ郊外にあるキューバ映画国際学校で脚本を学んだのでした。