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山形国際映画祭コンペ作品「光、ノスタルジア」

すっごく久々にユーロスペースのH支配人から電話。
「比嘉さんが言ってたドキュメンタリーが、山形国際の
コンペに入ってるよ」と教えて下さった。
あらら、コンペ作品チェックしたはずなのになあ、と
思っていたら、国別で見ていたので、見逃してた、これ。
光、ノスタルジア
今年のグアダラハラ映画祭で観て「ふっは~」と
トリップにも似た感覚を持ったドキュメンタリーで、
カンヌにも出品された。
チリの広大なアタカマ砂漠の天文観測所(世界最大の
天体望遠鏡がある)で、地球から宇宙を観察している職員は
実は宇宙に観察されているような感覚を持つという。
「私たちはどこから来たのか?」という永遠の質問とともに、
ピノチェト政権時代、政治犯として砂漠に埋められた肉親の遺体を
探す女性たちを等しく映し出す。
まるで宇宙からチリの歴史と時空間を突き抜いたような
静かだが、深い痛みを感じる作品だった。
予告編

数ある作品の中で、なぜ、これを観たかというと、
監督がパトリシオ・グスマンだっただから。
彼は2004年に「サルバドール・アジェンデ」という
ドキュメンタリーを完成した監督であるとともに
2009年、ユーロスペースで行った「キューバ映画祭2009」の
中の1作「シュガー・カーテン」の監督、カミラ・グスマンの
父ちゃんでもあるのだ。
2歳で両親とともにチリからキューバに亡命し、キューバが最も
うまくいっていた80年代に子供時代を過ごしたカミラは、
なぜいま、若者たちがキューバから国外へ出て行くのか、を
「シュガー・カーテン」で描いた。
その中で、カミラが両親とも映画人だったこと、チリに
アジェンデ政権が発足したときに、その映像を撮っていたことを
話していたので、ちと調べてみたら、パトリシオ・グスマン監督に
行き着いた、という訳。
パトリシオ・グスマンがチリを代表するドキュメンタリー作家として
認知された75年からの3部作「LA BATALLE DE CHILE」の
IとIIには、キューバのフリオ・ガルシア・エスピノサも
脚本にクレジットされている。
「サルバドール・アジェンデ」予告編

おまけに「シュガー・カーテン」でも使われていた
Habana Abiertaのキューバ凱旋公演。
DIVINO GUION