東京フィルメックスの第一回審査委員長をつとめ、
メキシコでコンスタントに映画制作を続ける監督、
アルトゥーロ・リプステインの新作映画の撮影中、
その場にいたスタッフや俳優たちが
武装グループに襲われ、機材や映画素材30万ペソ
(およそ18,520ユーロ、およそ200万円)の被害にあった。
監督はその時、現場にはいなかった。
新作「Razones de Corazones」は、フロベールの
ボヴァリー夫人の最後の数日に焦点をあてた作品で、
撮影していたのは、メキシコ・シティの旧市街ともいえる
セントロ・イストリコ(Centro Histrico)地区のビル。
友人のみぽりんも住んでいる、この辺り、メキシコでの
私の常宿があるところだが、便利だし、芸術学院やソカロにも近い。
それだけに場所によっては、こういうこともあるのだろうが、
「俳優ひとりと制作部3人がなぐられた」と
今回の脚本担当でもあり、監督の妻でもある
パス・アリシアディエゴが語った。
幸いにも命に別状はなかったが、武装グリープが盗んだのは、
11台のコンピュータ、スチールカメラ、メイキング用カメラに
美術道具や個人の貴重品などなど。
フィルムは盗まれなかったので、撮影は続行されている。
メキシコ・シティは数年前、撮影のロケ場所提供に乗り出し、
Centro Historicoはおすすめの場所で、何作もロケが
行われていた。
メキシコといえば、かのギジェルモ・デル・トロが
1997年に父親を誘拐されたことから、メキシコで
住む事も撮影することも断念していた。
記事のソース:El Mundo
リプステイン監督といえば「大佐に手紙は来ない」
ガルシア=マルケス原作の映画化の中では、
一番、好きな映画。
マリッサ・パレーデス、フェルナンド・ルハン主演。
若き日のサルマ・ハエックも出てる。