何か寒そうなカンヌですが、現地時間の19日午前に
Cine Premierのリポートが届きました。
それぞれ上映後の観客の様子などを伝えています。
まず、最初は、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督の
「Biutiful」
ギジェルモ・アリアガがはずれて初めての作品という
こともあって、注目されていましたが、批評家の意見は、
賛否両論。しかし、この138分の作品(長いね~)を
観た観客のスタンディング・オベーションが9分間も
続いた、と報じています。
Biutiful 撮影クリップ
同じ状況(賛否両論)で上映に至ったのは、
監督週間のメキシコ映画。
ホルヘ・ミッチェル・グラウ監督の
「Somos Lo que hay」
これはグアダラハラ映画祭でも上映されたのですが、
わたくし、そのビジュアルから全く食指、動かず。
父が亡くなり、悲しむ家族。
だが彼らは、実は人肉を喰って生きていた!
彼ら自身はホラーだと言っていますが、
ビジュアル見る限り、アート系か。
この作品も、途中で席を立つ人がいたものの、
残った人は、1分間のスタンディング・オベーションを
行った、と。
予告編(スペイン語)
そして、3本目は、オーストラリア出身で
メキシコ国籍のマイケル・ロウ監督の
「Ano bisiesto」
この写真をみるに、主演男優はセバスチャン・コルデロの
「Rabia」の主役を演じたグスタボ・サンチェス・パラ。
ハンサムではないのに、どこか色気ある男優。
何とこの作品は、賛否割れずに、受けが良かったらしく、
監督自身が「?」らしい。
というのも、監督としては暴力シーンとセックスシーンが
物議をかもすだろう、と踏んでいたからで、ちょっと
肩すかしなんだそうだ。
監督週間に上記の2本が決まったとき、
メキシコの新聞Excelsiorは、「カンヌで危険をおかすメキシコ映画」
として紹介していた。
それぞれ「カニバリズム」と「マゾヒスム」がテーマであり、
議論が巻き起こるのは必至としていたからだ。
「Somos lo que hay」は、CCC(メキシコ映画研修センター)制作、
「Ano bisiesto」はIMCINE(メキシコ映画公社)とマチェーテ・プロダクション
制作で、後者は、すでにフランスでの配給が決定している。
でも、メキシコは、まだ。
監督自身が「エロチック映画」というだけあって
フランス好みだったのかしらん。
それにしても政府機関が、こういう作品に
ちゃんと助成しているところがメキシコらしい。