default img

カンヌ映画祭2010のメキシコ映画3本

何か寒そうなカンヌですが、現地時間の19日午前に
Cine Premierのリポートが届きました。
それぞれ上映後の観客の様子などを伝えています。
まず、最初は、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督の
「Biutiful」
ギジェルモ・アリアガがはずれて初めての作品という
こともあって、注目されていましたが、批評家の意見は、
賛否両論。しかし、この138分の作品(長いね~)を
観た観客のスタンディング・オベーションが9分間も
続いた、と報じています。
Biutiful 撮影クリップ

同じ状況(賛否両論)で上映に至ったのは、
監督週間のメキシコ映画。
ホルヘ・ミッチェル・グラウ監督の
「Somos Lo que hay」
ラテン!ラテン!ラテン!-somos1
ラテン!ラテン!ラテン!-somos2
これはグアダラハラ映画祭でも上映されたのですが、
わたくし、そのビジュアルから全く食指、動かず。
父が亡くなり、悲しむ家族。
だが彼らは、実は人肉を喰って生きていた!
彼ら自身はホラーだと言っていますが、
ビジュアル見る限り、アート系か。
この作品も、途中で席を立つ人がいたものの、
残った人は、1分間のスタンディング・オベーションを
行った、と。
予告編(スペイン語)

そして、3本目は、オーストラリア出身で
メキシコ国籍のマイケル・ロウ監督の
「Ano bisiesto」
ラテン!ラテン!ラテン!-ano
この写真をみるに、主演男優はセバスチャン・コルデロの
「Rabia」の主役を演じたグスタボ・サンチェス・パラ。
ハンサムではないのに、どこか色気ある男優。

何とこの作品は、賛否割れずに、受けが良かったらしく、
監督自身が「?」らしい。
というのも、監督としては暴力シーンとセックスシーンが
物議をかもすだろう、と踏んでいたからで、ちょっと
肩すかしなんだそうだ。
監督週間に上記の2本が決まったとき、
メキシコの新聞Excelsiorは、「カンヌで危険をおかすメキシコ映画」
として紹介していた。
それぞれ「カニバリズム」と「マゾヒスム」がテーマであり、
議論が巻き起こるのは必至としていたからだ。
「Somos lo que hay」は、CCC(メキシコ映画研修センター)制作、
「Ano bisiesto」はIMCINE(メキシコ映画公社)とマチェーテ・プロダクション
制作で、後者は、すでにフランスでの配給が決定している。
でも、メキシコは、まだ。
監督自身が「エロチック映画」というだけあって
フランス好みだったのかしらん。
それにしても政府機関が、こういう作品に
ちゃんと助成しているところがメキシコらしい。