ホンジュラスのマヌエル・セラヤ大統領(1952年生まれ)が、
現地時間6月28日(日)の午前5時から6時ごろ、
大統領官邸で軍部によって拘束され、
空軍基地からコスタリカに送還された。
国会は、セラヤ大統領のサインが入った辞表を
受け付けたとして、国会議長のロベルト・ミチェレッティ
(Roberto Micheletti)を暫定大統領とした。任期は、セラヤ大統領の
任期終了の来年1月まで。
セラヤ大統領は、コスタリカから辞表を書いてもいないし
サインしてもいない、と否定。
国民に向けて、平和的な抗議行動を呼びかけた。
セラヤ大統領は、パジャマ姿のままコスタリカに
送られた、とベネズエラのテレビ局Telesur のインタビューに答えた。
2006年に就任したセラヤ大統領は、来年2010年に任期終了だが、
再選可能にするための憲法改正の是非を問う、国民投票を日曜日に予定していた。
でも、軍への命令を出したのは、最高裁のようで、
国民投票そのものが憲法違反だとしている。
スペイン日刊紙エル・パイス(前日に大統領にインタビューしていた)に
よると・・・
23日に国民投票拒否法案が国会を通過。
最高裁も軍部も、国民投票は憲法違反だと非難。
24日、大統領は軍のロメオ・バスケス将軍を罷免。
国防相が辞任。
25日、軍が首都テグシガルパを占拠。
大統領官邸で演説後、
国民投票の投票箱がある空軍基地に。
27日、エル・パイスのインタビューに、セラヤ大統領は
「軍は掌握できている。」と。
セラヤ大統領の支持母体は、労働者、農民、先住民組織。
バスケス将軍を支持(というより、反セラヤ)は、
教会、マスコミ、実業家、判事(というか、最高裁)、軍人に
政治家(セラヤの自由党党員までいる)
この2人を代表者として、両側がにらみ合い、という感じで、
にっちもさっちも行かなくなっていた。
OAS(米州機構)は、緊急会議を招集。
駐ホンジュラスのベネズエラ、キューバ大使らも拘束されている
という情報も。
国民投票呼びかけ
国民投票阻止のために、
空軍基地の投票箱を取り返しにいく。
CNN エスパニョールによると、現在、現地のテレビ局は
放送ができない状況になっているとのこと。
停電している地域もあるとか。
国民投票を訴える人々
Libertad Digital TV (デジタル自由テレビ)
汚職の噂もあるセラヤ大統領だが、実際のところ、
クーデターに踏み切ったのは、国内だけではなく、
どこかの国の情報部とかのバックアップもあったんだろうな、と思う。
ホンジュラスは元々、思い切り親米政権だったし・・・。
拘束されたのか、ちょっかい出されているかしている大使たちだって、
反米政権の国だし・・・。
オバマ大統領は、「民主主義を」と言っているけれど、
これから開かれる米州機構での発言を聞いてみたい。