遅すぎますが、あまりにも面白かったので、
やはり書いておかねば、と。
10月3日(金)~5日(日)まで、
セルバンテス協会で行われたガルシア=マルケス会議。
部分的にしか出席しなかったのですが、
面白かったのが、「翻訳への挑戦」ですね、やはり。
特に旦敬介氏の構造と語順のお話。
「おお、こんなに訳している人でも
そこは悩むんだなあ」と思いました。
だってねえ、スペイン語って、名詞の後に
形容詞が来て、それが関係代名詞的につながって、
どんどん、どんどん、いくらでも長くできる。
そのときに、日本語も1文にするために、
「訳し上げる」(後ろからさかのぼって訳す)のか
いくつかに分けてもいいから
「訳し下す」(前から訳して行く)のか、は、
永遠の課題だと思うのです。
ま、普通の文書の翻訳なら、意味が分かったほうが
良いので、ぶった切っても訳し下しちゃいますが、
文学ともなると、なぜ、ここは1文にしているか、って
ことも作者の意図としてあるし、悩むだろうなあ、と
思うのです。
旦氏は、言葉を読みながら浮かぶ映像を
優先したい、と、「百年の孤独」の冒頭の
文章を例にとっていました。
まさにっ!作者が何といおうと、こっちだろ、と
思いましたね。もちろん、日本語にしたときには、
1文ではなく3つの文章ぐらいになるのですが、
スペイン語で読んだときに見える映像が
日本語で読んでも同じように見えてくる、というのは
素敵なことじゃないか、と思ったのです。
私自身、書店で、初めて
「百年の孤独」を手に取り、冒頭の
あの切れない、なが~~~い日本語をみたとき
(読むんじゃなくてね)
ひるんでしまって、思わず本を棚に戻した
経験があるもので・・・。
あと面白かったのは、同じラウンド・テーブルに出席された
演出家で劇団燐光群を率いる坂手洋二氏が
「エレンディラ」の脚本を手がけたときのお話。
それにコロンビア特有の言い回しのお話。
ドキュメンタリーの字幕をつくるときに
2度出て来た「mamador de gallo」
に頭かきむしっていたので、身を乗り出して聞いてしまいました。
「雄鶏の乳を吸う人」ってどんな奴なんだ~。
コロンビアの出席者は、こともなげに「tomar el pelo」
(人をからかうこと)と言っていましたが、
文脈によっていろんな意味にとれるような気がします。
今さらながら、ラテンアメリカ特有の
言い回し(各国で違うのですが・・)に、
スペイン語って深い!と感じたのでした。
そして、高橋源一郎さんのお話も面白かったです。
ガジュマルの木の精のことを書いた沖縄の作家のお話から、
「もはや都心に住む人々は、
目に見えないものを書けなくなっているのではないか」と。
日本の怪談話からラフカディオ・ハーンのことまで
聞くと、そういえば、昔は、「目に見えないもの」の
話が多かったなあ、と、しばし遠い目になりました。
ガルシア=マルケスを切り口として、いろんな
ことを考えさせられた3日間でした。
部分的にしか出席しなかったのと、すでに1週間が
たって忘却したところがあるので、頭のすみっちょに
残っているものだけ書きましたが、
今回、ドキュメンタリーの字幕で苦しみながらも
「言葉」が持つ力と面白さに魅了された日々でした。
もっともっと知りたくなったガボのこと。
最後に、ガルシア=マルケスの80歳の誕生日に
オスカル・チャベスが「Macondo」を歌っている映像を。
「百年の孤独」の舞台となった架空の町、
”マコンド”がクンビアになっているとは・・・。
ホセ・アルカディオ、アウレリアーノ、レメディオスに
アマランタ、メルキアデス、最後はウルスラだ~。
歌詞もついでに
Los cien años de macondo sueñan,
sueñan en el aire,
y los años de Gabriel Trompetas,
trompetas lo anuncian,
encadenado a macondo sueña,
don José Arcadio,
y aunque él la vida pasa haciendo,
remolino de reacuerdos.
Las tristezasa de Aureliano, el cuatro,
la belleza de Remdios, violines,
las pasiones de Amaranta, guitarras,
el embrujo de Melquiades, obóes,
Ursula cien años, soledad macondo,
Ursula cien años, soledad macondo
eres, epopeya de un pueblo olvidado,
forjado en cien años de amores a historia,
eres epopeya de un pueblo olvidado,
forjado en cien años de amores a historia,
Y me imagino y vuelvo a vivir,
en mi memoria quemada al sol,
mariposas amarillas,
Mauricio Babiloniaaaa,
mariposas amarillas, que vuelan liberadas,
mariposas amarillas,
Mauricio Babiloniaaaa,
mariposas amarillas, que vuelan liberadas,