昨日で、スペイン・ラテンアメリカ映画祭は終了。
はやいなあ。イベントとかちあったため、
自らの目玉作品だけ観て終わった。
「法王のトイレット」
「トニー・マネロ」
「コカレロ」
(この先、内容も書いてます)
いやあ、「トニー・マネロ」さすがラライン監督、
ひと筋縄ではいきません。
コメディじゃなかったな、やっぱり。
上記2作は、ほんとに俳優陣がよかった。
「法王のトイレット」のセサル・シャルローネ監督、
さすが、撮影監督兼任で自らカメラ回しただけあって、
夜と闇がすっごくよかった。
電灯ひとつない夜をあんな風にとれるなんて。
昔、メキシコにいたときに、電気がない村へいって
夜は、まったくの闇になのだけれど、
木々や雲が見えるんだなあ、と
感動したことがあった。
それをもう一度、映像で体験できるとは・・・。
物語もうまくいかないことだらけだけど、
最後に救いがあった。
「トニー・マネロ」は救いなしだぜ。
でも、この主人公、時代も国も違うけれど、
「低開発の記憶」のセルヒオとちょっと似ている。
女にもてるしね。でも、体制うんぬんの悩みじゃないけど。
夜は戒厳令がしかれて、軍があちこちパトロールする
サンティアゴ。反ピノチェト運動で、ダンスチームの
若者たちはビラまきやら活動しているのに、
「ものまねコンテスト」で勝つこと
すなわち、人生の目標って感じだったもんなあ。
そのために人殺すしね、何人も。
(そこがセルヒオとは違うけれど)
最初におばあさんを殺害したときに
夫が軍人だったからテレビをもらった、
と言っていたので、
「おお、こいつは反ピノチェトか」と
思ったら、次に狙ったやつは、
反ピノチェトのビラを大量に持っていた。
「え?ってことは、ほんとにあの食堂の
床にガラス敷いて、照明いれるために
殺してたの?」
と、途中から、この不気味な男に釘付けになった。
若者がコンテストに出ようと
新調した真っ白なスーツにウ○コするし・・・。
38歳(セルヒオ)どころじゃなくて、
この人、ラウルは52歳なんですけど・・・。
テレビの物まねコンテストで
真面目にナイトフィーバーして
接戦だったのに、負けちまう。
優勝者と同じバスに乗ったあと、
最後のどアップ!
「これから何する気だ~」ってところで終わる。
ああ、もっとみたかった。
ラライン監督はとことんまでいくのね、と
再認識。
「コカレロ」は、カメラがゆれるもんで
(追っているから仕方ないけれど)
ちょっと船酔い状態。
今や、ちょっとやせてしまったエボ・モラレス。
野党が呼びかける暴動で、衝突が激化している
ボリビア。15日に南米諸国連合が
大統領支持と野党に暴力停止を要求したけれど、
これからどうなるのか。
いろいろ考えさせられた3作品。
でも、地下鉄に乗る頃には、
なぜか「ポニョ」の主題歌が
頭の中について離れなかった。
あれはサブリミナル効果なのか・・・。