久々の正当派(?)メキシカン・ホラー「Kilometro31」
日本では、公開されず、アルバトロスからDVDストレート。
予告編
ユーザーコメントさんざんですが、私も観ました。
「エクソシスト」以来のホラー映画!(;^_^A(古すぎ)
メキシコでは、68年の「Hasta el viento tiene miedo」以来の
正当派ホラー(パロディホラーやなんちゃってホラーはあったけど)
ということで、2007年2月公開以来、350万人を動員し、メキシコ映画史上、
第3位の興行収入だったらしい。
だけど、メキシコでも賛否両論。
いや~、恐いのは、恐かった。音楽とか、表情とか。
見慣れてないから、ホラー映画。
でも、ツッコミどころも満載。
折角なんだから、メキシコの「La llorona」の伝説
もっとからめて欲しかったなあ。
(あ、根底にはこの伝説があるんですが、
どうも現実の事件とチグハグ感があって・・)
La llorona (泣き女)の伝説
いろいろなバージョンがありますが・・。
時は、16世紀。スペイン植民地時代のメキシコ。
外出禁止を告げるカテドラルの鐘が夜の11時をうつと、
誰もいないはずの街に息子をさがす女の悲痛な声が響き渡る。
「Ay de mis hijos! Que sera de mis hijos!」
(私の息子たち、息子たちはどうなったの)
毎夜聞こえる、苦しげで悲しげな声に、
外を覗きみた住民がいた。
と、そこには、真っ白なドレスに身をつつみ、
ろうそくを持った、やせこけた女性が
徘徊していた。
「あの女性はだれ?」
定説となっているのは、植民地時代に、
スペイン人の男に恋をし、その男の子供を
3人生んだ先住民の女性。
男が他のスペイン人女性と結婚。
気がふれた彼女は息子たちを殺害し、
川に身を投げた。
その母親の魂が、今も息子たちを
探してさまよっている・・・。
メキシコでこの話を聞いた時は、
夜だったもので、全身鳥肌たちましたがな。
この映画の中でも息子を失った母が
徘徊するのだけれど、なぜにハイウエイ?
の謎は、この伝説に隠されておるのです。
ま、そんな大げさなものでもありませんが。
う~ん、この映画、プロデューサーは、
「マシニスト」や「パヒューム」と同じ、
スペインはガリシア出身のフリオ・フェルナンデス
も入っているけれど、彼ひとり60代。
他のプロデューサーは30代と若い。
監督・脚本は
メキシコのリゴベルト・カスタニェーダ
(73年生まれ)
メキシカン・ホラーの最高峰だと言われるのは、
1968年に制作された
「Hasta el viento tiene miedo」
2007年にリメイクされて、酷評された作品。
クリップがみつかったので、ちょいとご紹介。
(やっぱり古い!)
「La llorona」といえば、その伝説を
もとにした歌があります。
ラテンアメリカでは有名な歌で、いろいろな
ミュージシャンが歌ってますよん。
そういえば、サルマ・ハエックの「フリーダ」の中でも、
チャベラ・バルガスが歌ってましたね。
ここは、おまけに若き日のチャベラ・バルガスの声で。
フリーダ・カーロに捧げる「La Llorona」
結局、映画と関係ない方向にいっちまったぜ。