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硬派だぜ! Canana Films「バイオリン」「Cochochi」

スペイン・ラテンアメリカ映画祭で、「マチュカ」のあとに、
Canana Films配給作品「バイオリン」を観た。
いやあ、硬派だなあ、Canana Films。
すごく緊張感のある映像で、どんどん引き込まれた。
じいちゃんが、ほんといい味で、切なくて。
じいちゃん
この映画も、先住民(Indigenas)と軍隊の闘いだけでは、
語り尽くせない内容。メキシコでは貧しさからの脱却のために、
軍や警察に入る人も少なくない。
反政府行動をとる先住民に対して、実際に手を下す人々もまた、
貧しい家庭の出なのだ。
決して手を汚さないエリート上層部の存在があるからこそ、
この物語は切ない。じいちゃんと隊長がバイオリンを介して、
つながったと思うのもつかの間、結局、2人の間の垣根は、
乗り越えられない。
軍の見張り役が、「道中食べる、タコスでも」といって、
銃を渡すシーンなどは、ほんとに切ない。
心情的には、先住民側にもかかわらず、軍に属することで、
彼らの家を焼き、命を奪う立場に身を置かねばならない。
この当たりをチラシで説明できれば、公開もありか、と
思うけれども(フランスでは商業公開が成功しているけど)
日本では、難しいなあ、と思った。
Canana Filmsは、その名のとおり、硬派に徹するのね。
ベネチア、トロント両映画祭に出品したのは、
全編タラウマラ語の「Cochochi」。
メキシコ北部のKochochi谷に住む子供、
トニーとエバリストが、じいちゃんに頼まれて
薬を届けに行く途中で、いなくなった馬を探す、
というシンプルなお話らしい。
予告編